【高輪ゲートウェイ駅はなぜ作った?】元鉄道員が駅名の由来や何があるのかまで徹底解説

高輪ゲートウェイ駅のイラスト
家族

高輪ゲートウェイ駅って、なぜ作ったの?

てった

高輪ゲートウェイ駅は、大規模再開発プロジェクトの拠点駅として必要だったからです!

この記事では、元鉄道員の筆者が高輪ゲートウェイ駅をなぜ作ったのか、その建設理由から駅名の由来などについても解説します。

この記事を読めば、2026年3月に開業した「OIMACHI TRACKS」についても理解できるでしょう。

てった

大きな議論を呼んだ「ゲートウェイ」という言葉がなぜ選ばれたのか?の経緯もまとめました!

目次

高輪ゲートウェイ駅はなぜ作ったのか?

高輪ゲートウェイ駅が作られた最大の理由は、JR東日本が約6,000億円を投じた大規模再開発プロジェクトの拠点駅として必要だったからです。

品川駅と田町駅の間には、かつて広大な車両基地がありました。鉄道の運行形態が変わったことで、この車両基地を縮小できるようになり、約13ヘクタールもの土地が生まれたのです。東京ドーム約2.8個分に相当するこの土地に、JR東日本は「100年先の心豊かなくらしのための実験場」として、オフィスや商業施設、住宅、文化施設などが一体となった新しい街をつくる計画を立てました。

その新しい街の玄関口として誕生したのが、高輪ゲートウェイ駅です。単に乗り換えのために作った駅ではなく、街全体の「入口」としての役割を担っています。

JR東日本が約6,000億円を投じた再開発プロジェクト

この再開発は「品川開発プロジェクト(第I期)」と呼ばれ、開発区域面積は約9.5ヘクタールにおよびます。JR東日本にとって、鉄道事業以外では過去最大規模の投資です。

プロジェクトのコンセプトは「Global Gateway」。世界と日本、過去と未来をつなぐ国際交流拠点を目指しています。2020年3月14日に高輪ゲートウェイ駅が暫定開業し、2025年3月27日のまちびらきを経て、2026年3月28日に「TAKANAWA GATEWAY CITY」としてグランドオープンを迎えました。

品川車両基地の縮小で生まれた広大な跡地

品川駅〜田町駅の間にあった「田町車両センター」は、東海道線の車両を留置する重要な基地でした。ピーク時には多くの車両がこの基地に集まっていましたが、鉄道ネットワークの再編によって、その役割を終えることになります。

2013年3月のダイヤ改正で田町車両センターは廃止され、「東京総合車両センター田町センター」として規模を大幅に縮小しました。こうして生まれた広大な跡地が、現在の高輪ゲートウェイ駅とTAKANAWA GATEWAY CITYの用地となっています。

上野東京ラインの開業と車両基地再編の関係

田町車両センターが不要になった背景には、2015年3月14日に開業した「上野東京ライン」の存在があります。

上野東京ラインとは、東京駅と上野駅の間にある線路を復活させ、東海道線と宇都宮線・高崎線・常磐線を直通運転させた路線のことです。この開業により、それまで田町車両センターに留置していた車両を、他の地域の車両センターに分散して留置できるようになりました。

つまり、上野東京ラインの開業は「一石三鳥」の効果をもたらしたのです。旅客の利便性向上に加えて、車両基地の再編が可能になり、さらにその跡地を活用した再開発用地が生まれました。高輪ゲートウェイ駅は、こうした長期的な計画の末に誕生した駅だといえます。

高輪「ゲートウェイ」という駅名はなぜ選ばれたのか?

高輪ゲートウェイ駅の駅名は、発表直後から大きな議論を巻き起こしました。「なぜゲートウェイなのか」「ダサい」といった声が多く上がり、署名活動にまで発展しています。

公募1位は「高輪」だったのに採用されなかった背景

2018年6月、JR東日本は新駅の駅名を一般公募しました。応募総数は64,052件にのぼり、1位は「高輪」で8,398件、2位は「芝浦」で4,265件、3位は「芝浜」で3,497件でした。

しかし、正式に採用されたのは130位・わずか36件の「高輪ゲートウェイ」でした。圧倒的1位だった「高輪」が採用されなかったことに、多くの人が驚きと疑問の声を上げたのです。

「ゲートウェイ」に込められたJR東日本の狙い

JR東日本は駅名の選定理由について、「この地域は古来より街道が通じ、江戸の玄関口として賑わいをみせた地」であると説明しています。

さらに、駅周辺の再開発エリアは「Global Gateway」をコンセプトとしており、公募1位の「高輪」と、再開発の理念を象徴する「ゲートウェイ(=玄関口)」を組み合わせた駅名にしたとのことです。JR東日本としては、単なる地名ではなく、この街が世界への玄関口になるという思いを駅名に込めたかったのでしょう。

駅名への反対意見と4万7,000筆超の署名活動

2018年12月4日の駅名発表直後から、「ダサい」「センスがない」「駅名が長すぎる」といった批判が殺到しました。「何のための公募だったのか」という声も多く上がっています。

コラムニストの能町みね子さんは、インターネット上の署名サイト「Change.org」を通じて駅名撤回を求める署名活動を開始しました。約1ヶ月で47,934筆もの署名が集まり、JR東日本に提出されています。しかし、JR東日本は署名を受け取ったうえで「駅名を変更する予定はない」と回答しました。

開業から数年が経った現在では、駅名への抵抗感は薄れつつあり、「高輪ゲートウェイ」という名前も少しずつ浸透してきています。

2026年3月にグランドオープン「TAKANAWA GATEWAY CITY」

「TAKANAWA GATEWAY CITY」のイラスト
画像引用:TAKANAWA GATEWAY CITY公式サイト

2026年3月28日、構想着手から約20年をかけて「TAKANAWA GATEWAY CITY」がグランドオープンしました。南北約1.3kmに広がる、JR東日本史上最大規模の街づくりプロジェクトです。

構想から約20年かけて実現した街づくりの全体像

TAKANAWA GATEWAY CITYは、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」をコンセプトに掲げています。オフィス、商業施設、文化施設、レジデンス、医療・フィットネス施設などが駅と一体で開発されており、「エキマチ一体のまちづくり」を体現した街です。

2025年3月27日にまちびらきとして「THE LINKPILLAR 1」が開業し、商業施設「NEWoMan Takanawa」やオフィスフロアがオープンしました。そして2026年3月28日のグランドオープンでは、「THE LINKPILLAR 2」をはじめ、文化施設や食エリア、レジデンスが一斉にオープンしています。

ロボット配送など最先端テクノロジーの導入

TAKANAWA GATEWAY CITYの大きな特徴は、最先端テクノロジーを街全体に導入している点です。「モビリティ」「環境」「ヘルスケア」の3つを重点分野として、未来の暮らしを先取りしています。

街の中では約50台のロボットが活躍しています。ZMP社製の自動配送ロボット「DeliRo」がアプリで注文した商品を届けてくれるほか、警備ロボットや清掃ロボットも稼働しています。これらのロボットは「都市OS」と呼ばれるデータ連携基盤と連動しており、混雑状況に応じて最適なルートを自動選択する仕組みです。

環境面では、燃料電池(FC)トラックを物流に活用するなど、CO₂の排出をほぼゼロにする「ニアゼロ」の取り組みも進めています。(※2026年4月現在)

文化施設「MoN Takanawa」

2026年3月28日にオープンした「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」は、建築家の隈研吾さんが設計を手がけた文化施設です。JR東日本文化創造財団が運営しており、「文化の実験的ミュージアム」をうたっています。

開館記念展「ぐるぐる展 ― めぐるめぐる、あなたもめぐる」は2026年9月23日まで開催中です。没入型の体験展示が特徴で、山手線のジオラマなど鉄道ファンにも見どころのある施設となっています。(※2026年4月現在)

食エリア「MIMURE」

THE LINKPILLAR 2の中にオープンした「MIMURE」は、ルミネが運営する「NEWoMan Takanawa」の別館にあたる食の施設です。名前は「future(未来)」と「gathering(集まる)」を組み合わせた造語で、「食のオープンファクトリー」をコンセプトにしています。

京都発の小川珈琲による実験型店舗「Ogawa Coffee Laboratory Takanawa」など、ここでしか味わえないユニークなテナントが入居しています。高輪ゲートウェイ駅周辺でランチを楽しみたい方にもおすすめのスポットです。

2026年3月に開業「OIMACHI TRACKS」はなぜ作った?

「OIMACHI TRACKS」の写真
画像引用:OIMACHI TRACKS公式サイト

TAKANAWA GATEWAY CITYと同じ2026年3月28日、大井町駅前にも大型複合施設「OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)」がオープンしました。こちらもJR東日本が主導する再開発プロジェクトの一つです。

大井町駅前に誕生した大型複合施設の概要

OIMACHI TRACKSは、ビジネスタワー(地上23階・約114m)とホテル&レジデンスタワー(地上26階・約107m)の2棟で構成されており、延床面積は約259,000平方メートルにおよびます。

「TRACKS」という名前には3つの意味が込められています。大正時代の車両工場に由来する「線路(レール)」、街区をつなぐ「ペデストリアンデッキ」、そして暮らしを豊かにする「音楽(トラック)」です。

施設内には、東京で初めて「ドルビーシネマ」を導入した「TOHOシネマズ大井町」(8スクリーン)や、280室超のホテル「ホテルメトロポリタン大井町トラックス」が入っています。路面電車をモチーフにした「トラムサウナ」が楽しめる「サウナメッツァ大井町トラックス」も話題です。ショッピングエリアはアトレが運営するオープンモール形式で、81店舗が出店しています。

山手線の車両基地を一望できるロケーション

OIMACHI TRACKSの大きな魅力の一つが、隣接する「東京総合車両センター」を一望できるロケーションです。山手線をはじめとする車両の検査・修繕が行われるこの車両基地は、鉄道ファンにとって見逃せないスポットといえます。

TAKANAWA GATEWAY CITYとOIMACHI TRACKSが同日にオープンしたのは偶然ではなく、JR東日本が進める品川エリア全体の再開発戦略の一環です。車両基地の再編によって生まれた用地を、街の未来のために活用するという共通の思想が、両施設の根底にあります。

高輪ゲートウェイ駅は本当に必要だったのか?

「高輪ゲートウェイ駅はいらない」「品川に近すぎる」という声は、開業当初から根強くありました。ここでは、批判の背景と今後の可能性を整理してみます。

「品川に近すぎる」「利用者が少ない」と批判された背景

高輪ゲートウェイ駅は品川駅からわずか約0.9kmの距離にあります。これは山手線の駅間距離としてもかなり短い部類です。

実際の乗車人員も、2021年度は1日平均7,867人、2022年度は9,247人、2023年度は11,110人と推移しており、山手線30駅のなかで最も少ない状態が続いています。周辺に住宅やオフィスが少なかった開業当初は、「誰のための駅なのか」という疑問の声が多かったのも事実です。

リニア中央新幹線の開業で変わる品川エリアの将来性

しかし、TAKANAWA GATEWAY CITYのグランドオープンにより、状況は大きく変わりつつあります。JR東日本は、街が完成した際の1日の乗車人員を約13万人と見込んでおり、これは現在の10倍以上の数字です。

さらに、品川エリアの将来性を大きく左右するのが「リニア中央新幹線」の存在です。リニア中央新幹線の品川〜名古屋間の開業は、当初2027年を予定していましたが、静岡県内のトンネル工事をめぐる問題から2034年以降に延期されています。(※2026年4月現在)

リニアが開業すれば、東京・名古屋・大阪が約1時間で結ばれる「スーパー・メガリージョン構想」が実現します。この巨大都市圏の人口は約6,500万人に達する見込みで、その東京側のターミナルが品川駅です。高輪ゲートウェイ駅は、こうした将来の発展を見越して作られた駅だといえるでしょう。

高輪ゲートウェイ駅をなぜ作ったのか?に関連する質問

高輪ゲートウェイ駅はもともと何の跡地ですか?

高輪ゲートウェイ駅は、JR東日本の「品川車両基地」(旧・田町車両センター)の跡地に建設されました。2015年の上野東京ライン開業によって車両基地が縮小され、約13ヘクタール(東京ドーム約2.8個分)の用地が生まれたことが、駅の建設と再開発のきっかけとなっています。

高輪ゲートウェイシティで何ができますか?

TAKANAWA GATEWAY CITYでは、隈研吾さん設計の文化施設「MoN Takanawa」での展示鑑賞や、食のオープンファクトリー「MIMURE」でのグルメ体験が楽しめます。そのほか、商業施設「NEWoMan Takanawa」でのショッピング、フィットネス施設、医療クリニックなど、多彩な施設が揃っています。

高輪ゲートウェイ駅の駅名は誰が決めたのですか?

駅名はJR東日本が決定しました。2018年に一般公募を行い、応募総数64,052件のうち1位は「高輪」(8,398件)でしたが、130位・36件の「高輪ゲートウェイ」が採用されました。再開発コンセプト「Global Gateway」と公募1位の「高輪」を組み合わせた名称です。

高輪ゲートウェイ駅と品川駅はどのくらい近いですか?

高輪ゲートウェイ駅と品川駅の距離は約0.9kmで、山手線でわずか1駅です。徒歩でも約10分程度の距離にあります。この近さが「駅は必要なのか」という議論の原因にもなりましたが、TAKANAWA GATEWAY CITYの玄関口として重要な役割を果たしています。

高輪ゲートウェイシティの今後はどうなりますか?

今後はリニア中央新幹線の品川駅開業(2034年以降)や東京メトロ南北線の延伸により、品川エリアの交通利便性がさらに向上する見込みです。JR東日本は街の完成後に1日の乗車人員が約13万人になると見込んでおり、国際交流拠点としてさらなる発展が期待されています。(※2026年4月現在)

まとめ:高輪ゲートウェイ駅はなぜつくった?答えは「100年先を見据えた街づくり」

高輪ゲートウェイ駅の写真の

高輪ゲートウェイ駅が作られた理由は、単に新しい駅が欲しかったからではありません。「100年先を見据えた街」をつくる再開発プロジェクトの拠点として、高輪ゲートウェイ駅が必要だったからです。

この記事では、高輪ゲートウェイ駅をなぜ作ったのか、その建設理由から駅名の由来などについて徹底解説しました。

てった

ぜひ、TAKANAWA GATEWAY CITYやOIMACHI TRACKSに足を運んで、未来の街を感じてくださいね!

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